半球の石膏型を使って制作したまん丸壷。穴窯での六日間の過酷な焼成に耐えてくれと、かなりの気合いを入れて作った壷です。タタラの厚みは12mmの厚さで、両面をしっかりと締めてから石膏型に入れる。つなぎ目はコテでしっかりとつなぎ、さらに全体もコテでこれでもかと締める。素焼きも無事に終えて毛布に包まれて土岐へと旅立ちました。
日曜の窯出しで昼前に土岐に着くと、壷はすでに窯から出されてブルーシートの上に乗っていました。壷が割れたりはしてないのを確認し、早々に他の作品をコンテナーに詰めて東京へと戻る。明くる日じっくりとまん丸壷を見る。なかなかの焼き上がりです。正面の自然釉はタップリと掛かり、備前の流れ胡麻のような素晴らしい景色です。そして灰の掛からない部分はしっかりと焼きしまり鮮やかな緋色が見事です。みなさん「むさしの秋の陶芸展」の会場に展示しますので「まん丸壷」に会いに来てくださいね。